「手術が必要」と言われても諦めない!重度歯周病を『切らずに治す』最新の選択肢
- 大樹 堀川
- 2025年11月28日
- 読了時間: 4分
「手術しましょう」と言われたら、誰だって怖いですよね
「◯◯さん、歯周病が進んで骨が溶けていますね。しっかり治すには手術が必要です」
定期検診で歯医者さんにこんなことを言われたら、ドキッとしてしまいますよね。「歯茎を切るの?」「痛そう…」「仕事も休まなきゃいけないのかな」と、不安で頭がいっぱいになってしまうかもしれません。
一般的に、歯周病が進行して歯を支える骨が減ってしまう(専門的には「骨内欠損」と呼びます)と、歯茎を切開して中の汚れを取り除く手術が推奨されることが多いのです 。
でも、「できれば痛い思いはしたくない」「手術なしで治る方法はないの?」というのが、患者さんの本音だと思います。
実は、そんな皆さんに朗報があります。最新の歯科研究の世界では、「手術をしなくても、高度なクリーニングだけで骨は再生するかもしれない」という、希望の持てるデータが注目されているんです。
実は、最新の研究でこんな面白いことが分かったんです
今回ご紹介するのは、イギリスのロンドン大学クイーン・メアリー校などの研究チームが発表した、ある臨床試験の計画に関する論文です 。
この研究のテーマはずばり、「切る手術」vs「切らない治療」。どちらがよく治るのか? というものです 。
「切らない治療」ってどうやるの?
研究チームが提案しているのは、「MINST(ミンスト)」と呼ばれる新しいアプローチをさらに改良した方法です 。名前は難しいですが、やることはとてもシンプルで、患者さんの体に優しいものです。
イメージしやすいように、「お掃除」で例えてみましょう。
従来の手術(M-MISTなど)は、「車のエンジンの修理」のようなものです。ボンネット(歯茎)をガバッと開けて、悪い部分を直接見て修理します。確実ですが、車(体)への負担は大きくなります 。
一方、今回の「切らない治療(MINST)」は、「排水管のクリーニング」に似ています。 地面(歯茎)を掘り返すことはしません。その代わり、超音波を使った非常に細くて繊細な器具を使い、管(歯と歯茎の隙間)の中を顕微鏡や拡大鏡を使って慎重にお掃除します 。
なぜ「切らない」のに骨が治るの?
ここが一番のポイントです。実は、私たちの体には素晴らしい「自然治癒力」が備わっています。
この治療法で最も大切にしているのは、「血液のクッション(血餅)」を守ることです 。 怪我をしたとき、カサブタができると傷が治りますよね? あれと同じ原理です。
歯茎の深い部分を傷つけずに優しく汚れだけを取り除き、そこに新鮮な血液を満たしてあげることで、それが「天然の絆創膏」となり、骨や歯茎が再生するのを助けるのです 。
過去のデータでは、この「切らない治療」を行っただけで、タバコを吸わない方の場合、溶けてしまった骨の深さが約3mmも改善したという報告もあります 。これは、手術をした場合の結果と比べても遜色ないレベルです 。

これを知っていると、未来はどう変わる?
この研究結果が示唆していることは、患者さんにとって大きなメリットがあります。
痛い思いをしなくて済むかも: 歯茎を切ったり縫ったりしないので、手術後の痛みや腫れが少なくて済みます 。
自分の治癒力を信じられる: 高価な人工の骨や材料を使わなくても、環境さえ整えてあげれば、体は自分で治ろうとしてくれます 。
治療のハードルが下がる: 「手術は絶対イヤ」と治療を諦めていた方でも、この方法ならトライしやすいはずです 。
もちろん、全てのケースで手術が不要になるわけではありません。しかし、「いきなり手術」ではなく、「まずは体に優しいこの方法を試してみる」という選択肢が増えることは、皆さんにとって大きな希望になるはずです。
まずは「切らない選択肢」
「重度の歯周病=手術」と決めつける必要はありません。 医学は日々進歩しており、今回紹介したように、できるだけ体を傷つけずに治す「低侵襲(ていしんしゅう)治療」が今のトレンドです。
当院でも、適応になる状態かを見極めたうえで、低侵襲かつ結果のでる歯周病治療を提供しています!
お口の健康は、一生の財産です。諦めずに、ご自身に合ったベストな治療法を一緒に探していきましょう。



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